告知2

告知

お医者さんと相談を進め、当事者の方が書いた本などを準備し、

母親の直感で挑んだ「告知」

何とか無事にすることができほっとしたのもつかの間、

信じられないことが起こった。

その朝の大パニックの原因は、当時まだ入級はしていなかったが、

娘の居場所にしてもらっていた特別支援学級の先生との関係だった。

学校には

「修学旅行が終わったら、3年生になる前にお医者さんに告知をしてもらいます。」

と事前に伝えてあった。

当日の朝も、娘が家を出た後に

「今朝、告知をしました。本人の様子をよく見ていただけるとありがたいです。当事者の方が書いた本も持って行きました。」

という連絡をしておいた。

娘は、

「当事者の方が書いた本が、とても自分や、自分が困っていることについてわかりやすく書いてあるので、今日はこの本を持って学校に行く。」

と言って本を持って登校した。

夕方、帰宅した娘に

「学校、どうだった?」

と聞くと、

信じられない答えが返ってきた。

「先生が、怒った。」

「はあ?」

「なんで先生が怒るの?」

「『私が、こうだっていうこと!!』って言って怒った。」

「はあ?」

いろいろな出来事を、言葉で表現することが、苦手な娘の話は、

ちょっと聞いただけでは意味不明なことが多いが、

その日は、

「意味不明 世界選手権 優勝!!」

くらいの意味不明だった。

私の心の中で、

「先生は、自分が発達障がいだって勘違いしたのか?」

「いや、いくらなんでもありえない。」

「今日の告知と、先生が怒ったことは別の出来事で、娘が、また先生を怒らせるようなことを、やったのか?」

「これはありえるな。」

「それにしても、障がいの告知を受けた14歳の女の子に、その日の印象が『先生が怒った。』になるようなことするか?」

「いや、ありえんだろ~?」

謎は、深まるばかりだ。

すると、娘が

「先生が、このページ見て怒った。」

といって、当事者の方が書いた本のページを開いた。

そのページには、

「当事者の方が、学校の先生の理解が得られず、困っていること。」が書いてあった。

「これか~。」

何ページにもわたって、自分の特性や、どんな工夫をしているかが、記述されている本の中の数ページだ。

脱力~。

「あ~。あたしは何年もかかって今日の準備をして、

やっとの思いで薄氷しか張っていない川を渡ったのに、

渡り切ったと思ったら、雪崩直撃ー!!。」

「はあ~。『周囲の理解を得られない。』ってこういうことか~。」

「その日の朝、障がいの告知を受けた14歳の女の子の心情より、

自分が非難されたかもしれないことが気になったのね~。」

「あ~。そりゃ、娘もパニック起こすわ。」

でも、あまり先生とはうまくいかないことが多かった娘は、

「先生が怒った。」

という事実を報告したまでで、深く気にしている様子はなかった。

娘にされる理解のないひどいことについて、

いちいち苦情を言っていたら、苦情ばかり言っていることになるので、

娘があまり気にしている様子がないことはスルー。

なので、

特にこのことについて、学校に何かを言ったりはしていない。

でも、今だに

「いくらなんでも、あれはないだろう。」

とは思っている。

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